どうも、モスクワ音楽院が恋しいアーニャです。
たまには真面目に音楽の話でも書こうと思います。
SNSをダラァっと見ていたら、こんな話題を目にしました。
「練習曲とかやりたくない。好きな曲(ポップスかな?)が弾ければいい」という子どもや親御さんが増えている
現在はYouTubeの影響もあり、ピアノで好きな曲を弾けるのカッコいい!と思っている子も以前より増えているのでしょうか?
それについて個人の見解を自分の価値観で簡単に述べようかなと思います。
思いつくままザーっと書いている独り言ですのであしからず。
実際、私自身も子どもの頃は練習嫌いで好き勝手弾いており、中学に入ってからようやく基礎的なことをやり始めて苦労した人です。
経験者としてもある程度お話しできるので、読んでいただけたら幸いです。
前提条件として、なんでもアリ
どのような形でピアノを弾いていくか、習っていくかというのはぶっちゃけ生徒自身が決めることだと思います。
また、どのようなレッスンをしていくかという方針についても先生次第だと思います。
「私はクラシックしか教えない、こういう方針で教えているので、納得いかないのなら別の教室をオススメします」というのもOK、「○○さんがやりたいなら、その方向で教えますよ」というのもアリ。
好きな曲だけ弾かせているうちに、クラシックやらにも興味を持つ子もいるかもしれません。
どんな形でもアリだとは思いますが、個人的に危険だなと思う面もあります。
将来苦労する可能性もある
好きな曲をずっと弾いていたが、一般的なクラシックにも興味が出てきたり、色々なアレンジをしたい、と思う子も出てくるかもしれません。
そのときに壁になる可能性があるのが基礎力。
ここでいう基礎力は、俗に言う指の動きとか脱力とか、そのような運動系(?)のものだけではありません。
和声や音楽理論など、音楽の基礎全般や、音色の作り方や音の聴き方も含まれています。
「音楽理論とかいる?」という声が聞こえてきそうですが、いります、というか、知っていたらもっと音楽も楽しめるし、表現の幅も広がります。
和声の進行なんかもある程度の規則がわかると、クラシック・ポップス問わずに応用できます。
幸い、私は視唱や聴音はやってきていたこともあり、和声学も苦労せずすんなりと入れましたが、ピアノを弾く技術面や音の出し方についてはとても苦労しました。
みんなができるのにできない状態w
しかも、一度クセがついているマイナスの状態だから、矯正がめちゃくちゃ大変なのです。
基礎練習を好まず、取り組んでこなかった過去は取り戻せませんし、その子が将来「音大に行きたい!」とか言い出す可能性もゼロではないですしね。
また、ちょっと話が脱線しますが、子どもが「練習曲やりたくない!」と言っているだけならまだしも、親御さんが「この子は練習曲をやりたがらないので好きな曲だけを……」と率先して言っている事例もあるそうですが、これは少しマズいのでは……?
というのも、語弊はあるけれど、子どもの人生の大半を作るのはその子であり、親ではないですし……(ガクブル)
ポップスYouTuberさんもクラシックを弾いてきた!?
今、活躍している流行りの曲やゲーム音楽を弾いているピアノYouTuberさんは、今はクラシックを弾いていない方であっても初めはクラシックを勉強してきた方が大多数だと思います。
実際に、音大を卒業された方や、長いことクラシックを弾いてきた方もいらっしゃいます。
その土台があるからこそ、多くの方々を楽しませる、惹きつけることができるのかもしれませんね。
ピアノ界の将来的にも・・・
「ピアノで流行りの曲を弾いて、『スゴイ!』と言われたい!」
という、自分とは違う意見があっても、批判はしません。
色々な価値観があるのが当たり前な世の中ですしね。
しかし、世の中全体がそんな方向になってしまうかも……という可能性を考えると、やはり不安にはなります。
クラシックもポップスもジャズもすべて素晴らしい音楽です。
私自身もクラシック以外の曲も聴きますし、趣味の範囲ですが弾きます。
けれど、すべての音楽に土台があります。
本質があります。
「好きな曲だけ好きなように弾く」というのは、その本質からズレてしまっている可能性もある、と考え、私を含むピアノ弾きは不安になる方も多いのだと思います。知らんけど。
その本質は、ずっと昔から積み重ねられてきて出来たものだと思うと、それが失われることは言葉では言い表せないくらい残念なこと。
その伝統とか本質の大切さをわかっている方こそ、初めに挙げた話題についてモヤモヤしてしまうのでしょう。ワシは多分それ。
自分軸を失わない
初めに挙げた話題を見て、少しでもモヤモヤした、特に音楽家の方へのすゝめ(何を偉そうにって感じだけど)。
「自分はどうしたいか?」をまずは考えることが大切だと思います。
もしも自分がそのような方に出会ったらどうするかをシミュレーションするのもよし、
ただ黙々と自分なりの方法で考えるのもよし。
すぐに結論が出なくてもOK!
軽い気持ちでぼんやりと考えるだけでもOK!
こういうのは結輪が出なくても、少し考えているだけでも全然違うと思っていますし、いざというときに自己犠牲しなくてよくなることも増えるはずです。
よく考えたら妥協しなくても大丈夫なことを妥協してしまい、モヤモヤしながら生きるのも勿体ない!
少数派だとしても、他人に大迷惑をかけなければ構わないでしょう(その辺はバランスを見ながら)。
自分軸で動くのが簡単な方、難しい方、両方いらっしゃると思いますが、今一度、自分の考えや意思を整理することはどんな方でも程度の差はあれど良い影響が出るのではないでしょうか。
終わりに
私は音楽に限らず、物事のすべての本質を大切にしたいと思う派です。
デジタルでほとんど何でも簡単にできちゃう時代だからこそ、です。
だからと言って、無理に人に押し付けはしません。
しかし、本質を見失わずに発信していくことで、何か世の中に少しでもいい影響が出たら嬉しいなと思います。
「音楽ってこんなに深いんだ!」とわかったときの感動と興味の幅の広がり方は心地よいのを知っているからね、その楽しさを誰かに教えたいよね←
ふぅ、なんか人生論みたいになった。
言い足りないこともあると思いますが、さらに長くなりそうだし今後のネタ切れにも繋がりそうなので、今日はこの辺にしようかな←
それでは、また更新します!